当サロンでは腸揉みセラピーを通じて食生活・生活習慣とともに腸内環境の改善をサポートしていきます。腸内をリセットして溜めない腸、溜めない体、溜めない心を手に入れていきましょう。
Ⅰ.腸について
●腸の働き
腸の仕事は、主に以下の3つとなります。
・栄養や水分を吸収しエネルギーを循環させる
・体に溜まった老廃物を体外に排出する
・免疫によって病原体やウイルスの侵入を未然に防いでくれる
口、喉、食道、胃、腸、肛門、から構成された全長9m前後にもなる1本の長い消化管のうち、腸は3分の2以上を占める7~9mになります。 腸には小腸と大腸の2種類があります。小腸は食べ物の吸収や免疫力、大腸は便を作って出す場所を指します。小腸と大腸は同じ腸ですが、働き、役割は全く異なります。
腸は外から入ってきたものが通過する器官ですから、食べ物と一緒に病原体・ウイルス・細菌が入りやすいです。そのため、腸は他の臓器よりも防御機能が発達していて、身体全体の3分の2に相当する免疫細胞が腸にはあります。
また、脳の次に神経細胞が多いのは腸であるため第二の脳とも呼ばれ、近年腸脳相関という言葉も取り上げられています。腸はたとえ脳死状態になったとしても呼吸と血液の循環があれば、独自で栄養分の吸収や排泄が行えます。脳に依存せずに自律している臓器なのです。
●大腸の役割
大腸は、小腸で吸収されなかった水分の吸収と、便を作り、排出する役割を担っています。
便の材料は体に不要となった老廃物です。便は蠕動運動(ぜんどううんどう)で肛門に向かって運ばれます。その際、大腸の腸壁から便の排出を手助けする粘液が分泌されるため、腸壁に便が何十年もこびり付くようなことはないようになっていますが、大腸には便を一時的に保管するS状結腸が存在しますので、便が数日間滞在することはあります。
大腸は管の直径5~7cm、長さは小腸より短く約1.5~1.6mです。小腸ほどの伸縮性はなく、ツルツルで毛深くありません。小腸と肛門の間に位置し、小腸と大腸の境目には逆流を防ぐ弁があるため一方通行になっています。食べたものは小腸と大腸の境目にある弁の前後で呼び方が変わります。小腸では栄養素と呼ばれますが、大腸では便となります。
大腸の役割は、小腸で吸収されなかった残りの水分の吸収を行い、食べ物のカスや食物繊維、腸壁の老廃物などを原料に便を作ることです。便を肛門まで輸送する過程では、腸壁に傷がつかないよう粘液をたくさん分泌し、粘膜で覆って腸管内を保護しています。
腸内細菌の多くが大腸に住んでいます。腸内細菌には、大腸に送られ内容物分解して便にする力があるほか、体に必要なエネルギーに再利用できる発酵させる力を持っています。本来捨てられるものを元にアミノ酸や脂肪酸、酪酸、酢酸、ビタミンB群、ビタミンKなどを作ってくれるのです。
便というとただの廃棄物、というイメージですが、大腸を通っている間の便はまだまだ利用できるところがあり、大腸が無駄なく再利用してくれているということになります。水分を吸収するだけでないので、良い便作りには腸内細菌の力が必要不可欠であると言えます。
ですが、1点問題があり、エネルギーの再利用をする際にガスが生じます。ガスが生じること自体はごく普通のことなのですが、悪いガスが溜まってしまうことが問題を引き起こすことがあります。臭いおならが出たり、腹の張りや痛みといった症状で、「お腹が張っている」という感覚はこの状態であることも多いです。
この解決策の一つが腸揉みです。腸揉みすることによって溜まった悪いガスを流していくことが可能になります。悪いガスが溜まってしまう原因には、過度な緊張状態の連続により交感神経が強まったときや腸内細菌のバランスが崩れることが挙げられます。
●腸内環境が乱れると
腸内環境の乱れは、体調だけではなく、肌や髪にも影響を与えます。腸内環境が乱れているということは、善玉菌が減り、悪玉菌が増えた状態です。悪玉菌から作り出される有害物質が腸管から吸収され、血流を介して全身を巡っているのです。皮膚や頭皮に到達した有害物質は細胞レベルで悪影響を及ぼします。
結果、肌あれや吹き出物、皮膚がくすみ、乾燥しやすくなり、そして頭髪が育毛されにくくなったりします。腸内環境が悪化した状態では、いくら頑張ってケアを行っても肌や髪は綺麗にならないのです。
乳癌も腸内環境と関係があると考えられています。排便の回数が少ないと乳癌発症リスクが5倍も高いのです。乳癌が増えた理由は食生活が欧米化することでしょう。肉食中心の食生活になることで、腸内環境が大きく変化したのです。
これら以外にも、肥満や花粉症、アトピー性皮膚炎、心臓病、炎症性腸疾患、大腸癌などが腸内環境と関係しているといわれています。腸が全ての病気の原因、というわけではありませんが、腸内環境を良くすることにより様々な病気の予防が出来ることが期待できます。
●自律神経の副交感神経
腸は便秘や下痢、ガスといった状態異常を起こします。これらの状態異常は、自律神経の副交感神経を優位にすることで、落ち着かせることが出来ます。自律神経は体温維持や血液循環、呼吸、消化、吸収など、体内の環境を整えて生命を維持するために機能する神経です。交感神経と副交感神経の2種類の相反する神経から成り立っています。運動神経とは違い、自分の意思で動かすことは出来ません。
副交感神経は睡眠も含め体を休めるとき、リラックスするときに活発化します。腸は副交感神経が優位のときによく働きます。それに対して、交感神経は運動するときや緊張、興奮時に活発化します。交感神経が優位になると腸は本来の力が発揮できなくなります。どちらか一方が高い状態が続くとバランスが崩れ、健康や精神の不安定を引き起こす原因となります。交感神経と副交感神経はバランスを保った状態が理想なのです。
●腸にとっていいこと、悪いこと
腸にとって良いこと
スローライフ
規則正しい生活
リラックス
適度な運動
質のよい睡眠
自然体でいること
何でも適度に行うこと
笑い
発酵食品全般
野菜
オリゴ糖
ミネラル
良質のオイル
腹八分目
腸にとって悪いこと
過度なストレスやプレッシャー
不規則な生活
時間に追われるような感覚
冷たいものを一気に大量に流し込まれること
遅い時間の食事
生食や火食に偏った調理法の食事
ストイックさ
ジャンクフードやインスタント食品
時間の経過した揚げ物系
保存料や添加物の多い食品
肉や脂っこいもの
精製された食品
食べすぎ
Ⅱ.腸内細菌について
●腸内環境の変化
胎児の腸は無菌状態ですが、生後から細菌との関わりが始まります。授乳期の腸内細菌は約90%が善玉菌のビフィズス菌といわれています。ところが、授乳や呼吸などによって腸の中に住む細菌が変わっていき、離乳期を経て大人と同じ食事を摂るようになると悪玉菌が増え、腸内環境は大人のバランスになっていきます。
腸内環境はそれぞれ個性があり全く同じ人は1人もいないといわれています。しかし、生まれたての赤ちゃんは母親と腸内環境が似ます。父親とは似ることはほとんどありません。母子でビフィズス菌を比較すると約75%一致するという研究結果もあります。これは産道で母親の腸内環境を受け継ぐためです。そのため帝王切開では母親から細菌を受け継ぐ可能性は低くなります。母親の腸内環境を良くすることで、生まれてくる赤ちゃんの腸内環境を良い状態で生むことが出来るのです。
母親以外にも同じ病院で同じ日に生まれた赤ちゃんの腸内細菌は高確率で似通っているという研究もあります。
ですが、腸内環境は生まれた状態で決定するものではありません。良くするのも悪くするのも普段の生活、特に食生活が大部分を決めるので、心がけ次第で改善していくことが可能です。
●腸内フローラ
腸内には多くの細菌が住んでいます。この細菌を腸内細菌と呼びます。便の固形成分の3分の1を占めるのがこの腸内細菌またはその死骸です。腸内細菌は小腸の終わりから大腸にかけて、種類ごとにまとまり腸内に壁面を作って生息しています。この様子が植物が群生している花畑のように見えることから腸内フローラと呼ばれています。テレビCMなどでもおなじみのキーワードですね。腸内細菌の種類や数は、食生活や生活習慣、人種、年齢などによって異なるため、腸内フローラの状態は人によって異なります。
腸内細菌は発がん性化出来なかったものを消化してくれたりと私達を助けてくれる大切な存在です。他にも免疫を高めたり、感染を予防してくれたりします。
●腸内細菌の分類
腸内細菌は働きの種類から大きく3つに分類することが出来ます。人の体に有用な働きをする善玉菌、有毒物作る悪玉菌、そして善玉菌でも悪玉菌でも無い日和見菌の3種類です。日和見菌は善玉菌と悪玉菌の優勢な方に味方する菌です。
健康な人の腸内は善玉菌が悪玉菌を抑える形で腸内フローラのバランスが維持されていますが、悪玉菌が優勢になると、便秘や下痢という腹の症状、免疫機能低下により腸だけでなく全身の感染症を起こしやすくなったり、腸内腐敗が進んでアンモニア、フェノール、インドールなど有害な物質が増えます。これらが臭いおならの原因になったり、肝臓、心臓、腎臓などにも負担を与え、老化を促進させたり、生活習慣病の原因になることもあります。
腸内の細菌は平和に共存しているわけではありません。機会があればすぐに勢力を拡大しようと戦っています。善玉菌と悪玉菌だけでなく、違う種類の善玉菌同士や、悪玉菌同士が戦うこともあります。これにより、善玉菌が増えると悪玉菌は減り、悪玉菌が増えると善玉菌は減っていくのです。
健康な腸にするためにはバランスを保つことが大切で、理想的割合は善玉菌2割、悪玉菌1割、日和見菌7割と言われています。
このバランスは年齢や食生活、ストレス、薬の服用などが影響し日々変化していますので、たんぱく質を過剰摂取しない、ストレスを避ける….など、対策をしていくことが肝心です。
●善玉菌
善玉菌の代表格として、乳酸を作り出す乳酸菌、乳酸や酢酸を作り出すビフィズス菌、酢酸や酪酸を作り出すルミノコッカスやコプロコッカスが挙げられます。有機酸である乳酸、酢酸、酪酸は腸内を弱酸性にする効果があります。これにより、悪玉菌による腐敗の進行を防止し、悪玉菌自体の繁殖や有害物質の吸収を抑えてくれるのです。善玉菌には以下のような働きもあります。
血圧を下げる。
癌の予防効果。
インフルエンザを予防する。
花粉症を改善する。
アトピー性皮膚炎の症状を抑える。
ピロリ菌を抑える。
コレステロールを下げる。
内臓脂肪を減らす。
皮膚機能を良くする。
過敏性腸症候群や炎症性腸疾患の症状を和らげる。
牛乳や乳製品で下痢する人の症状を和らげる。
抗生物質を飲んだときの下痢の症状を良くする。
老化の予防。
骨密度の減りを抑える。
紫外線による皮膚のダメージを抑える。
●悪玉菌
悪玉菌には、ウェルシュ菌やブドウ球菌、緑膿菌、病原性のある大腸菌などがあります。
悪玉菌は腸内で有害物質を作り、腸壁の細胞を傷つけていきます。それが癌を引き起こしたり、肝臓を弱らせたりするのです。肝臓機能の低下によって解毒が間に合わなくなると、有害物質は体中に回ってしまいます。これが生活習慣病や老化に繋がるのです。
善玉菌とは反対に、悪玉菌は腸内をアルカリ性にするので、免疫機能を下げます。さらに悪玉菌が優位に立つと、便秘になったり、悪臭を持つおならを発したりします。悪玉菌が優勢になることで、体には多くの悪影響が及ぼされるようになるのですが、悪玉菌は決して不要な菌では無いのです。善玉菌は悪玉菌と戦うことで、効果を発揮してくれるという側面もあります。
また、これらは人間の体にとって悪影響を及ぼすため「悪玉菌」と称しておりますが、他の動物にとって必要な栄養素を作ったり、病原菌を撃退する働きを持っているなど、状況によっては活躍できる面も持っております。
●日和見菌
日和見菌は善玉菌、悪玉菌のどちらにも当てはまらない菌です。
無毒株の大腸菌や連鎖球菌、バクテロイデスユウバクテリウム、クロストリジウム、などが代表的なものとして挙げられます。日和見菌は善玉菌と悪玉菌の優勢な方に味方する菌です。日和見菌は全体の70%と腸内細菌の中で1番数が多いため、これらが悪玉菌に加勢すると、腸内細菌のほとんどが悪影響を与える存在になってしまいます。
Ⅲ.排便・便秘について
●便の成分
健康な人の便は1日およそ100~300g程度で、約75%水分が含まれています。下痢をしていると水分量が増え、逆に便秘のときは水分量が減ります。残り25%は、腸内細菌とその死骸が3分の1、腸の粘膜が剥がれたものが3分の1、残りの3分の1が繊維質など食べ物の消化されなかったものが含まれます。
便というと食べたものの残りカスというイメージが強いかと思いますが、実は便の成分のうち食べ物由来のものは全体の1割に満たないことがわかります。
●便でわかる腸内環境診断
便は腸内環境の状態を反映するため、自分の便をチェックすることは、健康な状態なのか、なんらかの異常があるのかを知る貴重な手がかりになります。
◆指標1: 色
便の色は便の大腸通過時間で決まってきます。短いほど明るい黄色で、長いと焦げ茶に近づきます。黄色から茶色までは健康な便の色と考えていいでしょう。
濃い焦げ茶色の便は、腸内細菌のバランスが乱れ気味で、善玉菌の勢力が衰えている兆候です。便秘気味の時や、食物繊維不足、肉を多く食べると出易くなります。
緑色の便は、腸炎などで腸内細菌のバランスが大きく崩れた時に、胆汁が酸化されずにそのまま出た場合です。子供は消化機能や免疫も未発達ですから、すぐに乱れるため、子供の排便でよく見られます。大人の場合は、抗生物質を服用すると緑色に近い便がでることもあります。
赤色の便は血便です。血便や便に血がついてる場合は消化管の出血を疑う必要もあります。それ以外にも、大腸癌やポリープ、虚血性大腸炎、潰瘍性大腸炎などにより赤い便になることもありえますので、血が混じっている場合は医療機関を受診するのがベストです。
黒い便、特に便秘で硬い便ではなく、どろっとした黒い便はその色からタール便と呼ばれています。疑われる病気は、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃癌、炎症、ポリープ、潰瘍など多数あります。病気でない場合は、蒼鉛という金属の化合物を含有する抗潰瘍薬を服用している場合、金属を含有する鉄剤のサプリメント、甘草やブルーベリーを食べた時ても、黒い便になる場合があります。この場合は心配ありません。
白い便は、胆汁色素が腸管に流れなくなっていると考えられます。胆石や胆嚢、膵臓癌、肝臓の異常が考えられます。
◆指標2: におい
「便=くさい」というのは正しくありません。生まれたての赤ちゃんの便は臭くないのですが、これは赤ちゃんの腸内環境はとてもいい状態で、悪玉菌が少ない状態だからです。
便のにおいは、食べたものを悪玉菌が分解した際に発生するアンモニア、硫化水素などのさまざまな物質が原因となります。これらの物質はたんぱく質を含む食材に含まれる窒素が元となって発生するので、たんぱく質を含む食材を多く食べることでもニオイが発生しやすくなります。
便が臭い状態は腸内環境が良くないサインですので、当たり前の状態だと思わずにチェックしていきましょう。
◆指標3: 形
便の形も腸内環境を知るための情報になります。自分の便をチェックしたことのある方はわかるかと思いますが、固くてコロコロした便、綺麗なバナナ状の便、泥のようにどろっとした便、液体状の便などその時々によって形も変わっていますよね。綺麗なバナナ状で(ソーセージ状とも)表面が滑らかなものが理想的な便とされます。世界的な指標で「ブリストルスケール」というものがあります。
コロコロ便:硬くてコロコロの兎糞状の便
硬い便:ソーセージ状であるが硬い便
やや硬い便:表面にひび割れのあるソーセージ状の便
普通便:表面が滑らかで軟らかいソーセージ状あるいは蛇のようなとぐろを巻く便
やや軟らかい便:はっきりとしたしわのある軟らかい半分固形の便
泥状便:境界がほぐれてふにゃふにゃの不定形の小型便・泥状の便
水様便:水様で固形物を含まない液状の便
というように分類されています。
これらの指標を総合的に考えて、自分の腸の状態をチェックしてみてください。
●排便習慣
腸に便が溜まると動きは鈍くなり、どんどん冷えて硬くなります。ここに食べ過ぎやストレスが加われば、一気に太りやすくなってしまいます。(もちろん病気にもなりやすくなってしまいます)
便意を我慢し続けると、便が溜まっている状態に体が慣れて、肛門の近くまで便が来ているのに便意を感じにくくなってしまいます。1日の中で腸が大きく動くのは1~2回なので、排便したいと思ったらすぐに行かないとチャンスを逃してしまいます。
また、排便時の体勢も重要になってきます。洋式トイレの排便スタイルよりも和式トイレの排便スタイルの方が理想的です。肛門と腸の出口の角度が真っ直ぐに近づく姿勢が排便に適した姿勢なのです。洋式の便器の上でも、便器の上で少し前かがみになるようにして、かかとを少し上げることでその体勢に近づきます。
また、それでも出づらいときには排便時に腹を「の」の字に時計回りにマッサージをすると効果的です。くれぐれも反対向きにマッサージしないでください。間違ってしまうと便をさらに押し戻してしまいます。3分以上頑張っても出ない場合は諦めましょう。便秘だからといって力み過ぎるのは体によくありません。力み過ぎると痔、場合によっては直腸癌の原因となってしまいます。
どうしても出なくて腹が辛い場合には排便を促進する機能があるシャワートイレも良いですが、頻繁に使っているとそれらに頼らないと出ない体になってしまいます。なるべく自分の力で排便するようにしましょう。
●便秘の定義
腹の症状や感じ易さには個人差があるため、専門家の間でも定義が異なっているのが現状です。定義は例えば以下のようなものがあります。
(1)日本内科学会での定義:3日以上排便が無い状態、または排便があっても残便感がある状態。
(2)日本消化器病学会での定義:排便困難や腹部膨満感など症状を伴う便通異状。
(3)2006年4月に発表された国際的診断基準であるRome3の定義
・排便回数が週3回未満。
・兎糞状便や硬便が排便時の25%以上。
・用指的排便が25%以上。
・怒責、残便感、閉塞感が25%以上。
以上の状態が半年以上前から少なくとも3ヶ月続く場合を慢性便秘と定義。
日本は海外と比較すると医療機関の受診が簡単であることから、世界の定義ほど長い期間症状が見られなくとも便秘であると定義しているようです。以前より排便の数が減った、排便があっても出にくかったりスッキリしない、といった症状がある場合は便秘と判断して良いでしょう。
このように便秘の定義が難しいため、自分が本当は便秘だとしても便秘だと思わない人がいます。こういった症状を隠れ便秘と呼んでいます。腹の張りを感じている人は隠れ便秘である可能性が非常に高いです。胃が痛かったり、胸焼けがする、下痢をするなどの症状がある人は隠れ便秘である可能性があります。他にも便秘の自覚があっても病気だとは思ってない人も隠れ便秘と呼んで良いでしょう。
隠れ便秘の範囲は広く、普通に毎日排便があっても「便がすっきり出切った感覚がない」「コロコロと小さく硬い便が出て、排便時に力まないといけない」などが当てはまる場合は隠れ便秘と呼べる、など様々な兆候があります。つまり、「出たか、出ないか」というような簡単な指標だけで便秘を判断してはいけないということです。
そもそも便秘は、便が出ないことそのものよりも、長く老廃物が体にあることによって引き起こされる様々な弊害が発生する警告のサインですから、「腸内環境は正常か」を見極めるひとつの指標として捉えることが大切と言えます。
●便秘のタイプ
腸は非常に敏感な臓器ですから、ちょっとしたことで便秘を引き起こしてしまいます。一時的なストレスや生理不順等が原因で便秘を起こすことがありますが、こういった一時的なものは自然と回復していくので心配はいりません。一般に「便秘」と言われるものは慢性的に続く便秘です。さらに慢性的に続く便秘にもいくつかの種類があります。
【1】弛緩性便秘
日本人に最も多い便秘は弛緩性便秘です。弛緩性便秘は大腸の動きが悪くなり便を押し出すことが出来ずに腸に便が溜まってしまうタイプの便秘です。便が腸の中に滞っている時間が長いので水分が失われます。そのため、兎糞状便などの硬い便になります。苦労しないと排便ができない上に、せっかく便が出てもあまり爽快感が無く、残便感があるのが特徴です。排便が無く腸内に便が溜まるということは、悪玉菌が増えることになり、有害なガスが発生します。ガスが溜まることにより、腹の張りを感じます。
【2】けいれん性便秘
けいれん便秘は精神的なストレスや生活環境などの影響で発生する便秘です。腸の動き自体は活発になっていますが、けいれんしているように動きます。腸機能が活発になりすぎていることによって消化や吸収と腸運動の速度が噛み合わず便秘だけでなく下痢も起こしやすい特徴を持ちます。
便がうまく運ばれないため、兎糞状便になりやすく、排便後も残便感を感じることが多い傾向があります。また、大腸が過剰に運動するため、胃腸が活発に動く食後に下腹部全体や特に左下腹部に腹痛がみられることが多くなります。
【3】直腸性便秘
肛門や直腸の異常で便を押し出すことができない症状を直腸性便秘といいます。これは肛門付近の直腸まで便が来ているのに、上手く排便出来ないタイプの便秘です。本来は便が直腸に到達すると、直腸の神経が刺激され、それが大脳に伝わることで便意を感じるのですが、便意をあまり感じないのが直腸性便秘の特徴です。直腸に長く便が溜まっていると、水分を奪われて便は硬くなります。そして余計に排便が困難になるとうい悪循環に陥ってしまいます。
普段から便意を我慢する癖がついていると、直腸性便秘になる心配があります。痔になると排便時に痛みがあるため、我慢し、結果的に直腸性便秘になってしまうということも考えられます。また、便秘が酷くなると浣腸で出す習慣を付けてしまっても直腸性便秘になり易いです。
このように、一口に便秘と言っても原因は様々です。3つのタイプを説明しましたが、それぞれ複雑に絡んでいるパターンもありますので、どれかに必ず当てはまるというわけではありません。複数のタイプに跨る人は自分のタイプを見極めて、自分に合った対処をしていくことが大事になります。
●便秘の弊害
便秘または隠れ便秘を放置しておくと腸内に便とガスが充満し、腸が圧迫されます。それにより、腹の張りや痛み、吐き気を起こします。圧が高まってしまうと腸がほとんど動かなくなってしまい、吐いてしまうこともあります。便として出すことが出来ないため、塞がっていない口から出るしかないのです。
便秘を放置することにより、腸閉塞、腸捻転、大腸癌、大腸憩室症、直腸癌、腸のポリープ、切れ痔、裂け痔、脱肛などの病気になることが考えられます。女性の悩みとして多い肌荒れや冷え性、むくみ、そして体臭の原因にもなります。
これらは便が長時間腸内に留まっていること、つまり腸内環境の乱れが原因で起こる症状です。腸内環境が乱れているときは、調子の良いときと違い悪玉菌が増殖しています。これにより便が腐敗発酵してしまうのです。
腐敗発酵便が長時間腸に居座ることにより、毒素が長時間発生することとなります。発生した毒素は腸壁から吸収され血液に入り体内を巡るようになります。この毒素が汗や皮脂に混じって排出されることにより体臭に影響し、呼気に混ざることにより口臭にも影響します。腸内に便が留まることによって老廃物も溜まってしまいます。その結果、老廃物も腸から血管、そして全身へと回ってしまいます。肌荒れ、頭痛、肩凝り、などを引き起こしてしまう、というメカニズムです。
●女性に便秘が多い理由
男性よりも女性の方が便秘に悩む人は多く、約2倍になります。
1番大きな理由は女性ホルモンにあります。女性の場合卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)という2つのホルモンが一定の周期で交互に多くなったり少なくなったりを繰り返し、体調に影響が出ます。そのうちの黄体ホルモンは血管への水分の吸収を促進してしまう効果があります。その水分は妊娠中ならへその尾から赤ちゃんに送る栄養分に含まれたり、胎内の羊水にも使われたりしますが、大腸内の水分が少なくなると腸内の便を柔らかくする機能が低下してしまうため、便秘になってしまう可能性を高めてしまいます。生理前になると黄体ホルモンの分泌が増えるため、普段は調子良く排便があっても、生理前になると便秘になる可能性が高まるのです。
女性ホルモン以外には筋力も便秘に影響します。便は、腹筋と肛門括約筋の働きによって排便されるので、これらの筋肉が衰えていると排便力が低下してしまいます。女性は男性に比べて筋力が弱く、特に排便に関係する筋力が弱いせいで便秘に繋がりやすいと考えられています。筋力の低下は女性だけでなく、高齢者が便秘になりやすい原因でもあります。70歳を過ぎると、腸の筋肉の弾力性は若いときと比較して約25パーセントも低下することがわかっています。腸の筋肉の弾力性の低下は、10代をピークに始まるとされています。そのため20代でも、腸の運動が弱くなっている可能性が十分にあり得ます。
女性に多い無理なダイエットや朝食抜きも便秘が多い原因になっているでしょう。これらの点を踏まえ、便秘への対策をしていくことが大切です。
●便秘薬
一口に便秘薬といっても、効果により様々な分類があります。その人によって合う合わないや、そもそもの目的とした効果が異なりますので、「テレビCMでやっていたから」「なんとなく」というようないい加減な理由で便秘薬を服用しつづけると、一向に改善しない状態になることがありますので注意が必要です。
【1】刺激性下剤
一番多く世に出回っている種類で、腸に強制的に刺激を与えることで腸の動きを促進し、便を出させようとするタイプの薬です。大黄、センナ、アロエ末などの成分がよく含まれます。特に、けいれん性便秘に該当する人は、刺激が逆効果となって便秘を悪化させてしまう可能性が高いため、服用を避けるようにしましょう。
さらに良くないのは、強制的に排便させるため本来必要だった善玉菌までも一緒に排出してしまい、腸内環境のバランスが崩れやすくなるという点です。とりあえず出ればいいだろう、という感覚で薬に頼って排便していると腸内環境がますます悪化し、普通には排便できなくなるという悪循環に陥るのです。
多くの刺激を与える類の薬がそうであるように、刺激には徐々に慣れるためだんだん同じ量では効果が薄れ、服用量が増えていきます。服用量が増えるほどやめるときに辛くなりますので、「どうしても今だけ出さなければ」というとき以外は使用せず、腸内環境を整えることを優先するべきです。
【2】塩類下剤
酸化マグネシウムや硫酸マグネシウムなどを含む下剤で、刺激で排便を促すのではなく、便をやわらかくして排便しやすくするタイプの下剤です。刺激性下剤と異なり中毒状態になりにくいので、比較的安心して使用できます。とはいえ、腎臓に疾患があるなど血中マグネシウム濃度を気にしないといけない方の場合は注意が必要ですので、医師の判断の元使用するのがベストです。
【3】座薬
肛門から直接入れ、直腸を直接刺激して排便を促進したりするタイプの薬です。直腸内まで便が来たのに便意が来ずに排便ができない、直腸性便秘の人には効果的です。腸全体に働きかけたり便をやわらかくするわけではなく、便意を催しやすくするだけなので、直腸性便秘以外の場合にはあまり効果は見込めません。
このように、便秘薬といっても様々な種類があります。基本的に、腸内環境が正常であれば便秘薬に頼る必要性はありません。また、薬で出している状態は不健全で、さらに腸内環境を悪化させ様々な弊害が発生します。できるだけ便秘薬は使わないことを目指し、どうしても使用する場合はまず自分の便秘のタイプが何であるかをよく理解した上で、適切な薬を使用するようにしましょう。
Ⅳ.腸揉みについて
●腸揉みの影響
腸が硬く緊張していたとしたら、それは今までの生活習慣や食事、運動、ストレスなどの積み重ねによって生じたものです。腸揉みには、ダイエット効果だけでなくリラックス効果もあり、体にも心にも良いこと尽くしです。 呼吸に合わせて腸を揉むことで、血行が良くなりリラックス出来るため、穏やかで幸せな気持ちになれるのです。このリラックスすることが幸せな気持ちになる鍵となり脳からセロトニンという神経伝達物質が出易くなります。
腸揉みを行うことで体がしなやかになり、動きも軽やかになったり、十分な栄養補給によって体調も安定し、不眠や肌荒れ、生理痛にも良いとされています。腸を揉むと腸以外の面でも良い変化が現れ、毎日がより楽しく過ごせるようになります。
ただ、腸を一度にたくさん揉んだからといって、急激に変化するものではありません。飽きず、焦らずに続けることが大切です。腸が硬い原因を探る心がけも大切になってきます。
※やってはいけない人
妊娠中、産前産後、妊娠の可能性がある方は腸揉みを控えてください。病気、療養中の方で自分の腸を揉むことに抵抗や不安がある場合は、かかりつけ医に相談した上で行う事をお勧めします。
●セロトニン
【1】腸揉みと幸せホルモン
セロトニンは心のバランスを整える作用のある伝達物質です。不足するとうつ病や不眠症になるなど、心の安定に大きく関係していることから幸せホルモンと呼ばれています。
セロトニンが脳から放出されると、心の調和が取れて気持ちが安定し、穏やかで優しい感情に包まれることがわかっています。逆に不足すると自律神経のバランスが崩れ、暴力的になったり、鬱病を発症することもあります。セロトニンは、腸に約90%、血液中に約8%、脳内に約2%が分布されています。
腸揉みによるリラックスは幸せな気持ちを実感しやすく、ネガティブな思考や発想、ストレス状態を遠ざけてくれます。腸を揉んでストレスが減れば、ストレスによる過食を自然と減らすことができますので、腸を揉むことは体と心の双方に良い影響があるのです。逆にストレス過多の状態が続けば、過食や食欲不振、激太り、食べたものを体内で処理しきれず下痢をするケースも出てきます。
【2】セロトニンが生成されるまで
セロトニンは必須アミノ酸のトリプトファンが体内で変換されたものです。必須アミノ酸は全部で9種類あり、自分の体では作れないアミノ酸のことを示します。よってトリプトファンを摂取するには、トリプトファンを含む食材を食べることが大前提になります。
タンパク質は消化酵素によってトリプトファンにしなくては小腸で吸収できません。タンパク質たっぷりのメニューをどれだけ食べても、消化酵素と小腸の働きが悪ければトリプトファンは吸収されないため、セロトニンは増えません。
セロトニンを増やすには、小腸の吸収機能がきちんと動いているかにかかっています。日頃から腸揉みして動きの良い状態にしておけば、食べたタンパク質が無駄にならずにトリプトファンとなって吸収され易くなり、結果として幸福感のアップにつながるのです。
▼トリプトファンを多く含む食材
納豆、チーズ、ヨーグルト、アーモンドなどのナッツ類、豆乳、きな粉、豆腐、赤身魚、干しシラス、レバーなど
特に納豆やチーズ、ヨーグルトといった発酵食品は消化も良いので、腸にも脳にも嬉しい食材です。
トリプトファンが吸収出来ても、まだセロトニンにはなりません。トリプトファン+ビタミンB6=セロトニンです。ビタミンB6は はタンパク質の代謝促進に必要です。
▼ビタミンB6を多く含む食材
レバー、赤身魚、豆類、玄米、バナナ、プルーン、アボカド、
なお、腸内細菌の善玉菌もビタミンB6を合成出来ます。脳のセロトニンは、トリプトファンを吸収する小腸の動き、腸内細菌が合成出来るビタミンB6、食材に含まれるトリプトファンとビタミンB6、これらが揃ったときに出来上がります。
●腸揉みの種類
【1】小腸揉み
ダイエットを失敗する原因の1つが食欲をコントロールできないことです。食欲を抑えられない原因にはストレスや寂しさなどの精神的な要因もあります。しかし最も大きな原因は食欲を抑制する機能が衰えていることです。
食欲を抑制する機能が衰えている原因は、食欲を抑制するホルモンPYY3-36の分泌が減っていることが原因でしょう。肥満の人はPYY3-36の分泌が、痩せた人より30%ほど少ないという研究結果も出ています。PYY3-36の役割は、腸から分泌されるホルモンにより満腹を感じてきたら食欲を抑えるよう脳に指令を出すことです。しかし、腸が弱っていると指令を出すことができず、食べても食べても満腹を感じることが出来ないのです。このことから、ダイエットするためには、腸の機能を取り戻してPYY3-36の分泌を活性化させないといけません。
他にも小腸の栄養吸収率が低下するとたくさん食べても満腹感を感じません。小腸では栄養は絨毛から吸収されます。しかし、腸の機能が落ちていると、絨毛が腸壁にくっついてしまい栄養がきちんと吸収されないのです。体は栄養不足と判断するため食べる量が増えてしまい過食になりやすいのです。
小腸揉みは小腸を刺激して絨毛の働きを良くします。また、PYY3-36の分泌を活性化します。それによって過食を防止するのに効果的なのです。小腸揉みは腸内の脂肪の塊や老廃物の排出も促されます。
【2】大腸揉み
大腸は食べたものは24時間以内にそのカスを便として排泄するのが理想的です。24時間を過ぎてしまうと、腸内でアンモニアやスカトール、硫化水素などの有毒ガスが発生するからです。有毒ガスは有害細菌の餌にもなります。腸内は病気の温床のようになってしまうのです。
腸内の毒素は病気の原因になるだけでなく、肥満の原因にもなります。腸内の毒素によって、栄養の摂取と排泄のバランスが崩れてしまい、腸の血液に栄養と共に毒素も吸収されていきます。それが皮下組織や臓器に溜まると、脂肪が溜まり易くなり、内臓脂肪が増えてしまうのです。腸の動きも悪くなるので、便の排出がさらに悪くなるという悪循環に陥ってしまいます。
健康で長生きの鍵は大腸です。イギリスのトーマス・パーという人は凄く長生きで、1483年に生まれ1635年に152歳で亡くなりました。死後長生きの秘訣を明らかにしようと解剖されました。その結果、内臓の器官はどれも完璧で特に大腸は青年のものと比較しても遜色なかったという逸話も残っているほどです。
大腸揉みは大腸を隅々まで刺激して、宿便の排泄を促します。便の嫌な臭いもなくなります。臭いの無い便は腸が健康な証拠です。
Ⅴ.腸内リセット
●腸内リセットダイエット
【1】食習慣=何を食べるかではない
食習慣を学びましょう、というと、どうしても「何を食べたらいいのか」「どんな成分が体にいいのか」ということにばかり意識が向きがちです。実際テレビや広告などでも、「これを食べると腸内環境が良くなる!」といった特集やキャッチフレーズを見かけることでしょう。
もちろん腸内環境にとっていい食品はありますが、その前に基本を確認していくことが大切です。
食事制限を主体としたダイエットでは決して綺麗に痩せることは出来ないのです。体重を減らすことと外見をスッキリ綺麗に見せることは同じにはなりません。健康的で腸内環境を整え、また気になるダイエットにもつながるような食習慣を身につけましょう。
【2】食べることそのものが腸の負担に
消化は非常に負担のかかる活動です。消化活動にはフルマラソン並みのエネルギーを費やすとも言われており、また摂取カロリー量を30%少なくすると寿命は50%も伸び、老化に関係する病気もかなり減るということが研究でわかっています。
腸の役割は与えられた食物から栄養素を取り出し、有害物を排出していくことです。ですが腸は非常に頑張り屋なので、たくさんの食物を与えられたからといって、「まあこれくらいでいいか」と適度に休息しながら排出だけしてくれるということはありません。古来より身についてきた本能で、その食物から栄養素を残らず取り切ろうと活動しているため、たくさんの食物が与えられればその分活動しなければいけない量が多くなり、腸の負担が増大するのです。
これでは、腸はなんとか全てを食べきって捨てるべくオーバーワークになってしまい、掃除しきれずに残ったものから古くなり発酵したりして、有害物質を出すようになってしまい、結果腸内環境の悪化につながるのです。
【3】少食・空腹時に食べる
そもそも腸の構造は、食べ物が少なかった頃の原始時代とあまり変わっていません。つまり、今より遥かに少ない栄養素でもきちんと生きていける作りになっているということです。今では1日3食決まった時間に食べることがいいとされていますが、だからといって空腹でもないときに食べたり、過剰な量を食べることは腸にとって非常に負担なことなのです。
便のなかで食事の占める割合は決して高くありません。便=食事 という認識が強いと、快便をするためには「いっぱい食べたほうが気持ちいい便が出る!」と考えてしまうかもしれませんが、そもそも排便は自然に発生するもので、たくさん食べなくても行われる活動です。また、空腹感を感じると「モチリン」というホルモンが分泌されます。このホルモンの働きで小腸・大腸・さらには胃まで消化管全体の蠕動運動が高まり、排出する力が高まります。少食にすることで負担そのものを減らせることに加え、空腹の時間を作ることで排便力まで高められるというように、「少食・空腹」は腸内環境改善の魔法の解決策といえます。
【4】寝る前の食事を避ける
寝る前に食べると太る、という話は腸内の働きから来ています。寝る前の食事は交感神経を興奮させてしまい睡眠を阻害するばかりでなく、睡眠中に便を運んでくれるホルモンが満腹時には分泌が鈍ってしまうなどの影響があります。どうしても食べたくなってしまったときは、スナック菓子などではなくここまで挙げた腸に優しい食事を軽く摂るようにしましょう。
食事は腸にとって一番大きな影響を与えるものですから、注意深く食品を選びながら、楽しんで生活していくことが大切です。
●酵素
食べ過ぎない・空腹時に食べることが一番大切ですが、もちろんその限られた食事として何を腸に入れるかはとても大切です。その際の選び方のひとつのキーワードが酵素です。
【1】酵素と種類
酵素は、消化の過程で様々な働きをする欠かせない存在です。唾液のアミラーゼ、胃液のペプシンなど、食べ物の成分を分解していくこれらの有名な物質も酵素の一種です。
体内で生成される酵素を「体内酵素」と呼び、この体内酵素も働きによって「消化酵素」「代謝酵素」の2つに分類されます。体で作られるものではなく、食べ物に含まれる酵素のことは「食物酵素」と呼びます。
消化酵素の働きは、大まかにいうと食べ物を分解し吸収できる形にすることで、代謝酵素はその吸収した栄養素を利用できるように変換・使用していくときに役立ちます。ここで注意したいのは、吸収したからといって有効に体が活用できるわけではない、ということです。吸収しただけで活用ができないと、肥満の原因やその他様々の不調の原因になります。そのため、代謝酵素も消化酵素もどちらもバランスよく働くことが大切です。
【2】消化酵素の節約がカギ
代謝酵素、消化酵素は体内で生成されますが、それらの元となる潜在酵素の量には限りがあります。つまり、消化酵素をたくさん消費すればその分代謝酵素の働きが弱り、逆に消化酵素を節約すれば代謝酵素がより活躍できるということです。
たくさん酵素が必要になる動物性たんぱく質などやジャンクフードを多く摂取すると、それらを全て処理させようとたくさんの消化酵素を生成します。こうなると代謝酵素の働きが鈍り、様々の不調の原因になります。
そんなときに役立つのが「食物酵素」です。食べる量を減らす、空腹時に食べる、というのは消化酵素の必要量を減らすのに役立ちますが、食べもののなかにはそれ自体が酵素を含んでいるものがあります。
よく魚と一緒に大根おろしを食べると消化を助ける、と言われますが、それは大根おろしに含まれる酵素の働きです。食物酵素が豊富に含まれる食品を食べると、体内酵素だけでなく食物酵素も一緒に消化をする手助けをしてくれるので、消化酵素の節約になるのです。
【3】酵素の特徴
そんなとっても嬉しい食物酵素ですが、どんな食べものにでも含まれるわけではなく、扱いに注意が必要な特徴があります。
熱に弱い
酵素は50度前後で性質が変わってしまうという特徴があります。これを酵素の変性と呼びます。そのため、もともと酵素が含まれる食品であっても、加熱調理することでその酵素が失われ、体内酵素の節約の役割を果たさなくなってしまいます。そのため、腸に優しい食べ方をするには、生かほとんど加熱をしない状態の新鮮な食品を多く摂取することが大切です。
1つの働きしかしない
ここでは「酵素」とひとくくりにしていますが、酵素には実に3000もの種類があると言われており、様々なものがあります。そして注意が必要なのは、1つの酵素は1つの働きしかしない、という特徴がある点です。消化酵素として例に挙げたアミラーゼはデンプンを分解しますが、たんぱく質は分解できません。さらに魚と豚ではたんぱく質の構造が違うため、1つの酵素で複数の食品を分解できるわけではないのです。そのため、特に消化に負担のかかる食材は、同時にたくさんの種類を取らないようにすることが消化酵素の節約に役立ちます。
このような酵素の特徴を踏まえ、うまく活用することで腸の活動をより健康的にしていきましょう。
●発酵食品
腸内環境を良くする食品のキーワードとして、発酵食品が挙げられます。
発酵食品には生きた酵素が含まれる他、善玉菌を増やすなど嬉しい効果がたくさんあります。
発酵食品といえば、納豆、漬物、ヨーグルト、チーズ、醤油、味噌などが挙げられます。善玉菌は腸のなかに生息する菌ですが、こういった食物のなかにもたくさん含まれており、これを摂取することでそのまま腸内の善玉菌を増やすことができると考えられています。
このように摂取することで直接体にいい作用をもたらす微生物・菌のことをプロバイオティクスと呼びます。乳酸菌やビフィズス菌が代表的です。
対照的に、それ自体は腸内の善玉菌のエサになり、結果として腸内環境の改善につながるものはプレバイオティクスと呼ばれます。オリゴ糖がこちらの分類の代表格です。
ヨーグルトの種類と体質
善玉菌を増やす発酵食品の代表としてまず挙げられるのがヨーグルトでしょう。
日本でも様々なメーカーから「腸にいい」「◯◯を予防する」というような効果効能が謳われている商品が出ていますね。ですが、数が多すぎてどれを選んだらいいかわからないという人も多いはず。
ヨーグルトの選び方や摂取の仕方のポイントを見ていきましょう。
体に合うヨーグルトはひとそれぞれ
まず第一に、腸内の菌の構成は人によって千差万別だということを頭に入れておく必要があります。そして、ヨーグルトによって含まれる善玉菌の種類は異なります。腸内フローラは絶妙なバランスで健康を保っていますから、Aさんとってはぴったりだったヨーグルト(=善玉菌)をBさんが食べたら、バランスが崩れて体調が悪くなった、ということもあり得るのです。誰もにとって最高のヨーグルトはありません。ですから、2週間程度実際に自分で食べてみて、そのヨーグルトが体に合うのか、お腹の調子が良くなるのかを確かめていき、合わないと思ったら変えてみることが大切です。
食べるペースは毎日が望ましい
善玉菌は、食べて蓄積しておくことはできません。過剰に摂取したとしても、便が排出される際に一緒に出てきてしまいます。そのため、一度にたくさんヨーグルトをとっても効果は薄く、定期的にコツコツ食べることのほうが善玉菌が多い状態をキープするのに役立つということです。
ただし、食べ過ぎには注意が必要です。ヨーグルトの場合は脂肪分や、その他の発酵食品の場合は塩分も多く含まれます。善玉菌を増やすためといって毎日過剰に摂取して、他の成分で体調を崩しては元も子もありません。
ちなみに、腸内細菌の数は1000兆個以上と言われるのに対し、ヨーグルト100gには10~100億個程度の善玉菌しか含まれていません。全体の割合から見れば少しの量なのです。腸内の理想の割合である「善玉菌2割」の2割を全てヨーグルトで賄おうと思ったら、ヨーグルトを2000kg(!)以上取らなければいけないことになります。この少しの比率を増やしていくことが腸にとってはいいことになりますが、「ヨーグルトや発酵食品だけで善玉菌を増やそう」と考えても無理があることがわかりますね。毎日適量を少しづつ、の心がけが大切です。
●食物繊維
お腹の調子が悪いなら食物繊維をとりなさい、と言われたことがある人も多いのではないでしょうか?
腸内環境改善のもう一つのキーワードである食物繊維についてご紹介します。
食物繊維の種類
食物繊維、というと、その響きからスジばった野菜をイメージしますが、りんごやバナナなどの果物、昆布などの海藻類やキノコなどにも豊富に含まれます。
食物繊維は、その種類によって大きく2つに分かれます。
①水溶性食物繊維
その名の通り水に溶ける食物繊維で、ペクチン(りんごやバナナなどに含まれる)、アルギン酸(昆布やわかめなど)、グルコマンナン(こんにゃくなど)があります。
水溶性の食物繊維は水に溶けるとぬるっとしたゲル状になり、便を適度にやわらかくして排出しやすくしてくれる働きがあります。また、水溶性食物繊維は善玉菌のエサとなって腸内の働きを良くしてくれる効果もあります。
②不溶性食物繊維
穀物やいも、豆や根菜などのセルロースなど、みなさんがイメージする食物繊維に近いスジばったもので、水に溶けません。水には溶けませんが、水を含むことで体積が10倍以上にもなり、便のかさ増しをしてくれる働きがあります。かさが増すことによって満腹感も感じやすく食べ過ぎを防いでくれる他、便の水分が過剰にならず丁度いい硬さになることで排出しやすくなります。
この相反する性質をもった食物繊維はどちらか一方だけをとればいいということではありません。
理想の便の形や状態には、水分量(大腸に滞在する時間)が大切で、やわらかくする水溶性食物繊維と、水分を吸って適度に硬くする不溶性の食物繊維のバランスが重要です。どちらかが過剰だと下痢状になるか便秘になるか、健康な便の状態から遠ざかってしまうのです。
この理想的な食物繊維のバランスは、不溶性:水溶性=2:1と言われています。
その他の栄養素のバランスもあるので、食物繊維だけを考えてメニューを選ぶべきではありませんが、腸内環境にとっては非常に重要な要素です。
●おススメ食品とレシピについて
【1】納豆
納豆は体に必要なアミノ酸やビタミン、食物繊維も豊富です。何も加えずそのまま食べても美味しい納豆ですが、アレンジやバリエーションによって、さらに美味しくなります。付属のタレや辛子以外の腸が喜ぶ食材を足して美味しさを上げましょう。
なお、納豆は冷凍保存出来ます。未開封の納豆は一旦冷凍庫に移し、食べる前に冷蔵室に戻せば、美味しさそのままに食べられます。消費期限までに食べられないときは廃棄せず、冷凍保存しましょう。
▼ 納豆+食材
①ゴマと海苔
納豆はゴマと海苔との相性は抜群です。ゴマと海苔に含まれるビタミンやミネラル、食物繊維は腸の動きが良くなります。
②瓶詰めナメタケ、メカブ、シラス
包丁やまな板を使うことなく納豆をバージョンアップさせることが出来ます。ナメタケとメカブには食物繊維、シラスにはカルシウムが含まれています。
③漬物の微塵切り
沢庵漬けや糠漬け、梅干し、キムチなどの漬物を微塵切りにしたものと納豆を一緒に食べます。乳酸菌と納豆菌、互いの個性や特徴を生かした美味しさが生まれます。
④ダイコンおろし
納豆をさっぱり食べたいときの鉄板の組み合わせはダイコンおろしです。消化を助けてくれる働きもあります。ナメタケやシラスを加えるのもオススメです。
⑤アボカド
良質な脂質の他に、ビタミンや食物繊維が豊富なアボカドは醤油を付けるとマグロの刺身に似た味わいです。納豆もアボカドも醤油と合うので相性抜群です。ゴマや海苔を加えるのもオススメです。
➅トマト
トマトを小さなサイコロ状に切って加えるとサラダ感覚で楽しめます。夏に納豆をサラッと食べたいときにオススメです。ここに大葉を加えると華やかな香りが口中に広がります。
⑦調味料
・胡麻油:良質の胡麻油は香りが良いだけでなく便通にも良いとされています。
・マヨネーズ:マヨネーズを少し足すことでコクとマイルドさがアップします。
・七味唐辛子:七味唐辛子はパンチの効いた味に仕上げてくれます。
【2】黒豆
納豆同様に三大栄養素であるタンパク質、脂質、炭水化物や、ビタミンB群やビタミンEなどのビタミン類、カリウム、鉄分、カルシウム、マグネシウム、亜鉛といったミネラル分など、様々な栄養素をバランスよく豊富に含む食材として知られています。
また、大豆オリゴ糖を含んでいるため、腸内の善玉菌の増殖・活性化を促して腸内フローラを整える働きもあり、食物繊維の水溶性・不溶性をバランスよく含んでいるため、腸内環境の改善に最適です。
【3】キャベツ
比較的安価で1年を通して手に入りやすいキャベツは、食物繊維やビタミンC、ビタミンUなどの栄養素が含まれています。大葉の千切りやコーン缶などを加えるのも良いでしょう。塩味が足りない場合は塩を足して調節してください。すりゴマをかけるのもオススメです。
【4】オリーブオイル
油はダイエットの敵!と思われがちですが、髪の毛や肌のツヤは、油分のおかげで生まれていると言えます。同じ油でも、摂る油の質によって大きく効果が変わります。
オリーブオイルに含まれるオレイン酸は腸を刺激して排便を促してくれるとも言われています。 また、悪玉コレステロールを減らし善玉コレステロールを増やす効果や、ポリフェノールやビタミンEなどの抗酸化作用を持つ物質も豊富に含んでおり、美に効く油と言えばオリーブオイルというくらい非常に嬉しい油です。
同じオリーブオイルという括りの中にもグレードがあり、中でも一番品質が高いのが「エキストラバージン・オリーブオイル」です。生のオリーブの実を絞ったものだけを使った果実100%のオイルだけがこの名前を名乗ることができます。
通常の精製されたオイルを含むオリーブオイルよりも値は張りますが、健康と美を意識したいのならできるだけエキストラバージンのオリーブオイルを使うのがいいでしょう。
オリーブオイル以外では、ナッツの油も効果的です。話題のココナッツオイルなども含め、こういったオイルを積極的に使用していきましょう。気をつけたいのはいくらオイルが健康にいいからといって、使用量を大きく増やすことはおすすめできない点です。普段使っている油を少しづつオリーブオイルに置き換えるなど、無理のない範囲で少しづつ、でも積極的に健康効果の高いオイルを使っていきましょう。
●食べる時のストレスを減らす
腸は繊細な器官なので、精神の影響も大きく受けます。緊張しているときや劣悪な環境にいるとき、嫌いな人と一緒にいるときなどは、腸の活動能力が落ち、消化に支障をきたすことがあります。できるだけストレスを減らして食事をしてあげることは、あなた自身だけでなく腸にも優しいことになります。
食べているご飯の美味しさが、気分や誰といるかによって変わることもありますよね。「おいしい」「楽しい」と感じること自体が幸せホルモンが出ている状態で、上記のストレス軽減にもつながります。外的な要因でストレスを減らすだけでなく、楽しんで食事をしよう、という心の持ちようも大切です。
リラックスして楽しんで、腸にも食事を楽しませてあげましょう。
Ⅵ.自宅腸活
●運動
腸内環境の改善というとどうしても食事に目が行きがちですが、実は運動も重要な要因です。
女性に便秘が多い理由として筋力が弱いことをご紹介しましたが、運動はその排泄に関わる筋肉を鍛えるにも最適な方法です。
【1】ウォーキング
▼メリット
・血流を良くし、基礎代謝量をアップさせる
・ダイエットにつながる
・新陳代謝が良くなり、肌が生き生きとする
・体力がついて疲れにくくなる
ウォーキングは無理なく適度に全身の筋肉がつきますから、自然な現象である排泄に関わる筋肉も自然とついてきます。1日に20~30分程度、定期的にウォーキングするのがオススメです。
特にダイエットを目的とするのなら、夕食後の時間帯がおすすめです。
脂肪は寝ている間につきやすいため、この時間帯に運動しておくことで効果的な脂肪燃焼が見込めます。
【2】腸運動
歩くだけで自然と腸運動が活発になるため、4本足で歩く動物は便秘や下痢になることは基本的にありません。2本足で歩く人間は、どうしても内臓が下がりやすく腸運動も活発ではないため、腸壁に脂肪が溜まってしまい肥満の原因となります。腸運動を活発にすることは肥満解消への近道です。
早歩き、縄跳び、乗馬などの体を上下させる運動は内臓を動かす良い運動になります。腸揉みと合わせて腸運動も行うことで、さらに効果的に毒素を排出することが出来ます。
●入浴
腸の働きが鈍くなる理由は色々ありますが、冷えもそのうちの1つです。体温が低い状態では、腸内細菌の動きも、腸の蠕動運動も弱いままなので、食物繊維やオリゴ糖や乳酸菌を食べても思ったような効果はでてきません。
冷えや低体温の自覚があるなら、まずはそちらを先に改善しましょう。人間の細胞や組織、臓器というのは36~38度のときに一番活性化します。便秘の症状があり、シャワーだけで済ませる人は、入浴の習慣を改めることが腸内環境の改善に効果的です。
▼腸に効く入浴法
①半身浴
半身浴は38~39度くらいの湯温でおへそあたりまで浸かる、文字通り体の半分だけ浸かる入浴法です。室温が低い場合は体が冷えがちになるので、肩周りに乾いたタオルをかけて保温しながら浸かって下さい。
この状態で20~30分ほど入ると、副交感神経が優位になり、腸の動きも良くなります。
半身浴は全身浴と違い心臓などの内臓に負担がかかりにくいので、じっくり入れることがポイントです。これくらいの時間入浴することでじんわり汗をかくことができ、デトックス効果も期待できます。
なお、半身浴の前後には水分を補給することを忘れずにしましょう。この際冷たい飲み物では、せっかく温めた腸が冷えてしまいますので、常温の水分を補給してください。
②ヒートショックプロテイン入浴法
42度前後のやや熱めの湯温で10分ほど浸かる入浴法です。
ヒートショックプロテインとは熱ショックたんぱく質のことで、免疫力を高めたり、細胞の修復をしてくれたり、細胞の老廃物の分解を行うときに活躍します。ヒートショックプロテインは加齢とともに減少しますが、加圧や低酸素などの状況を作ると増やすことができます。ヒートショックプロテインが増えれば、細胞の修復力が高まり、免疫力が上がって病気や傷が治り易かったり、疲れにくくなったりと健康な体に近づけるのです。
ヒートショックプロテイン量は入浴2日後くらいに増え数日間効果が持続しますので、週に2回入ることで増加した状態が継続させることが出来ます。逆に毎日熱いお風呂に入ってしまうと体が慣れてしまいヒートショックプロテインが作られにくくなりますので、過度に刺激を与えすぎないことも大切です。少し刺激の強い方法ではあるので、高齢者や虚弱体質、心臓に疾患のある方は無理のない範囲で行いましょう。
なおこちらの入浴法でも、コップ1~2杯程度の常温の水分を入浴前に飲みましょう。体内のミネラル分が汗と一緒に出てしまうので塩をコップ1杯に対し1つまみ程度入れるのもオススメです。
2種類の入浴法どちらが優れているということはありません。どちらも体が温まり、水圧によるマッサージ効果により腸の動きが良くなります。自分に合った入浴法で腸をケアしてあげてください。
●スキマ時間や外でもできる深呼吸
呼吸を司る筋肉である横隔膜が上下に動くと、手を使わなくても腸を動かすことができます。これを利用して、深呼吸をするだけで腸揉みを行うことができます。電車に乗っているときや待ち合わせの時間など、スキマ時間に行うことが可能です。10秒程度かけて自分の腹に両手をあてて、大きく息を吐き出します。息を吐ききったら3~5秒を目安に鼻で息を吸いましょう。
ポイントはお腹に手を当てることで、腸に意識を向けて揉まれていることをイメージすることです。あとは普通の深呼吸なので、しっかり大きく息を吸って吐きましょう。
●リラックス・ストレス
いくら運動や健康的な食事、排便が腸にいいからといって、義務のように実行したり、はたまたできなかったときに「どうして自分はできなかったのだろう….自分はダメだ」というように自分を責めてはいけません。こういったストレスそのものが、腸の働きを鈍くさせる大きな要因だからです。
排便や適度な運動や入浴、おいしい食事は、それそのものがストレス発散の気持ちいい行動のはずです。ですから、腸のことを考えるならそれらを自然に、楽しんで行うことが一番なのです。
ハッピーホルモンのセロトニンは、トリプトファンから作られます。
トリプトファンは適切な食事、そして腸が健康に働いてそれらの栄養をきちんと吸収して初めて増えていきます。そのため、腸が健康になれば栄養素を吸収しやすいのでますますハッピーになり、ハッピーになるから腸もよりよく動いてくれる….といういい循環に入ることができます。
日々意識するあまり、ストレスを感じるようになると腸の働きが悪くなり、ますます幸福感を感じにくくなって、結果「カップラーメンとビールとタバコ」のような無茶なストレス発散法をしてしまう…という悪循環になってしまう可能性があります。
逆に、腸にとってストレスな悪い習慣(入浴しないで体を冷やす、運動をしない…など)が、悪循環のスタートになっているかもしれません。腸の環境を考えるときは、1つずつでも悪循環のループをいい循環に変えていくという姿勢を持ちましょう。自分と腸にとって、リラックスできるのは何か?という視点で生活習慣を見ていくことがとても大切です。
腸は気持ち良くリラックスできているかな?ストレスを感じていないかな?というように、腸をいたわってあげる優しさが、結果あなた自身への優しさにもつながるということなのです。